[2005.11.01]
  あとは,だけだ


 ▼Letters and e-mails share pattern(BBC NEWS)【英語】
  http://news.bbc.co.uk/1/hi/sci/tech/4385236.stm


 もしこのふたりが,同じ時代に,同じ言語で,暮らしていたなら。それは夢想でしかないけど,世界はちょっとだけ,違うものになっていたかもしれない。そして,ふたりのメールボックスは。

quote:研究者によると,チャールズ・ダーウィン(ウィキペディアのページ)やアルベルト・アインシュタイン(ウィキペディアのページ)は,紙の郵便をまるで電子メールのような法則性で利用していたと云う。ダーウィンは生涯で少なくとも7591通の手紙を送り,同じ数の返事を受け取っていた。アインシュタインは1万4500通以上の手紙を送り,1万6000通以上を受け取った。彼らは10日以内には急を要する問題に対処することを知っており,その速度は現在のユーザーの電子メールでのより速い応答法則に似ている。

 もし現在に,ダーウィンやアインシュタインがいたなら,彼らは膨大な量の電子メールを受け取り,送り,研究を進めていただろう。もちろん,彼らがほかの研究者などと科学的な理論の伝達・受信だけに郵便を使っていたわけではないと思う。まったく研究と関係のない,プライベートな手紙もたくさんあっただろう。だが,科学的な理論の伝達や,情報の共有がとてつもない頻度の紙郵便で行われていた,そんな時代があったことは,昔話として残しておいてもよいだろう。そして。

 それが現代は,すべてネットワークによってまかなわれている。自分がいままでに送った手紙(郵便)の数など,両手の指で収まってしまう人だっていてもおかしくないと思うが,メールの数は記憶できてないだろう。それは,ダーウィンとアインシュタインの途方もない郵便の数と同じである。彼らが郵便で行なっていたことがすべて電子メールですみ,そして,より多くの情報の伝達と共有が行われる土台が,もうできている。あとは,それを使うように,すべての理屈を変えてしまう,だけだ。

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